「ス・トラ・テラ」の心

大体深夜テンションで書き殴っています。

「頭が良くなる薬」よ、「頭を正常にする薬」であれ。

昨日の昼頃にTwitterのタイムラインを眺めていたら、ふとこんな見出しのニュースのRTが流れてきました。

ASKA容疑者に警察が行った任意の採尿で、米国で大流行した「頭の良くなる薬」の成分か

…(クリック)

そもそもコイツが逮捕されたのってもう二年前の出来事なのか…

そして気になったのはこの部分

今回の尿検査では法律違反薬物の一種の、ある興奮剤の成分が検出されたとみられている。この成分は数年前に米国の若者たちの間で「頭の良くなる薬」として大流行。日本ではもちろん使用は禁止されているのだが、実はADHD(注意欠陥・多動性障害)治療薬として販売がされている。その効果は1錠でコーヒー10杯分の覚醒効果があると言われている。


この「頭が良くなる薬」、恐らくリタリンという薬品のこと。
リタリンの存在自体は知っていましたが「頭が良くなる薬」などと呼ばれてるとは知りませんでした。
確かにリタリンの作用を考えたらそういった呼ばれ方をされるのも納得がいきます。

リタリンとは元々うつ病や、ADHDと言われる発達障害の治療薬。別名メチルフェニデートといいます。

そもそもADHDとは何かというと、注意欠陥多動性障害といい、物忘れが激しかったり、頭の中で物事の順序を考えるのが苦手、一つのことに集中すると周りが見えなくなる、あとはじっとしているのが苦手、過度に喋りすぎる。などの症状がある発達障害の一つ。原因としては脳内の神経伝達物質の分泌が先天的に乏しいことによるとかなんとか。

そしてその神経伝達物質の分泌をサポートするのがリタリンというわけです。働きで分類すると中枢神経刺激薬と呼ぶこともできます。
ADHDの人だと、これを服用することにより神経伝達物質の濃度が少ない状態から普通の状態になります。
しかし健常者が飲むと大変ですね、神経伝達物質とはドーパミンなどの所謂、脳内麻薬というものです。それの濃度をブチ上げるわけです。
そりゃ一時は頭が良くなったように感じるでしょう。麻薬キメてるのと変わらないわけですから。
にしても、「飲んだら頭の良くなる薬」がADHDの薬だなんて、ADHDは頭が悪いみたいでとっても失礼

そしてこのリタリン、日本では確かにADHDの治療薬として使われていました。しかし、入手の容易さ(うつ病っぽいと言ったら渡しちゃう医師もいたとか)と、この興奮作用、そして依存性が問題視されてADHD治療薬としての処方が禁じられました。(現在はナルコレプシーという病気のみに処方されてる模様。)
過去にもリタリン中毒による事件があり、それが禁止の原因のようです。

リタリンの問題だった点はその即効性による依存度の高さ。
リタリンは服用後4時間程度効果があり、その後、患者はまた繰り返し服用が必要になります。更に体にどんどん耐性がついてきて服用量を増やさなければならなくなり、それが依存度の高さに繋がるようです。ADHD患者も薬をやめるときは大変らしく、副作用もあるとか。

現在ADHDの薬としては、同じメチルフェニデートでも即効性が低く、朝飲んだら夜までは持つようなコンサータと呼ばれる薬が使われています。こちらも副作用は重いようですが。


ASKAが手に入れた薬がリタリンだかコンサータだかは分かりませんが、実際に現在ちゃんと医師から処方されて飲んでいるナルコレプシーADHDの人は怯えているかもしれません。だって、リタリンを不正入手してラリってた人のせいでリタリンが禁止になった過去があります。
正直日本でメチルフェニデートを入手するのは実際の患者から流してもらうのが一番楽なので、横流ししたアホのせいでさらに処方が厳しくなったら大変なこと。現在飲んでる薬を処方してもらえなくなる。想像したくないですよね…


…なんで久々に書いた記事がこんな記事かって、自分も4年ほど前にADHDの傾向があると診断されて薬を処方されたことがあるからです。
自分が飲んでいた薬は「ストラテラ」という別の作用をする薬でした。副作用がコンサータに対して比較的軽いと言われる代わりに、ネットで調べた感じだとコンサータの方が効くような記事が多く、本気で悩んでいた当時は少しがっかりしたものです。
結局1ヶ月ほど試して薬を飲むのはやめてしまいました。ストラテラの場合は、個人差はあるようですが効果を感じられるのが、朝昼晩3回飲むというのを2〜4週間続けてやっとらしいです。
自分は効果を実感できる前に薬飲むの忘れまくってました(笑)
ADHDの薬のクセにADHDの人が飲むには難易度が高すぎるんだよ


余談をはさみましたが、ADHDというのは見た目や素行が明らかな知的障害者じゃない分、他者にとっては理解されにくい障害です。
こういったニュースを受けてネットにADHDに関する記事が増えて、この障害に対する理解が進むことを祈ります。
こんなこと言ってる割に、薬について書き始めたら薬の話ばっかりになってしまいました。なんという注意欠陥…